「営業向いてない」と感じる人へ|営業の種類を変えたら結果が変わるかもしれない

営業の種類と適性

数字が上がらない月末。
上司の「で、今月どうすんの?」の一言。
同期の契約報告を聞きながら、自分だけ取り残されている感覚。

「自分、営業向いてないのかもしれない」

そう思って、深夜にスマホで検索した経験がある人に向けて書いています。

私は営業職を6年間経験したあと、自動車ディーラーの営業から不動産の営業へ転職しました。どちらも「個人のお客様に、形のある商品を提案する仕事」です。カテゴリで言えば同じ枠に入ります。

それなのに、実際にやってみると、仕事の進め方も、求められる能力も、成果が出るまでの時間もまるで違いました。

この経験から分かったのは、「営業に向いているかどうか」だけで考えるのは、少し乱暴だということです。

営業には、個人向けか法人向けか、有形か無形か、新規かルートか反響か、いくつもの種類があります。もしかするとあなたが向いていないのは「営業」ではなく、「いまやっている営業」なのかもしれません。

「営業が向いてない」と感じる原因は、大きく2つに分けられる

もちろん、しんどさの原因は人それぞれです。労働時間、評価制度、上司との相性、給料、人間関係。挙げればきりがありません。

そのうえで、「営業という仕事そのものへの適性」に絞って考えると、原因は大きく2つに分けられます。

① 誰もが通る壁にぶつかっているだけ

営業を始めて1〜3年目でぶつかる壁は、ほぼパターンが決まっています。

  • 商品知識はあるのに、なぜか契約にならない
  • 断られるのが怖くて、電話を取る手が止まる
  • 上司の詰めが頭から離れず、休日も仕事のことを考えてしまう
  • 売れている先輩と自分の差がどこにあるのか分からない

これらは才能の問題ではなく、経験と型の問題です。まだ勝ちパターンが自分の中に一本もできていないだけ。ここで辞めると「営業ができない人間」という自己認識だけが残ります。

② そもそも営業の”種類”が合っていない

一方で、経験を積んでも噛み合わないケースがあります。

これは能力の問題ではなく、扱っている商材や売り方が、自分の特性と合っていないケース。この場合、同じ営業職でも種類を変えるだけで結果が変わることがあります。

問題は、この2つが本人には見分けづらいことです。どちらも症状は「売れない」「しんどい」で同じですから。

クルマから不動産へ。同じ”個人向け有形商材”でも別物でした

まず、私自身の話をさせてください。ここが一番リアルに伝わると思うので。

ディーラー時代:100〜300人のリストを、何年もかけて育てる

ディーラーでは、入社すると会社から顧客リストを渡されます。100〜300人ほど。まずはそこに挨拶をしていくところから始まります。

リストの中身はバラバラです。

  • 過去に購入いただき、いまも関係が良好なお客様
  • 購入歴はあるが、担当変更やクレームなどで取引が途切れてしまったお客様
  • 一度だけ突発的な理由で工場を使ったきり、その後の接点がないお客様

挨拶をして、定期点検やイベントの案内をして、来店のたびに会話を重ねる。ときにはこちらからご自宅に伺って、クルマと近況の話を聞く。

来店が決まっているお客様には、必ず事前準備をしていました。

  • 今日は何を聞くのか
  • 何を提案するのか
  • この一回のゴールはどこに置くのか

これを何度も繰り返した先に、ようやく買い替えや自動車保険の話が出てくる。成果までの距離が長く、関係の積み上げがそのまま数字になる仕事でした。

※ディーラーの営業スタイルはメーカーや店舗によって差があります。あくまで私が経験した現場の話として読んでください。

不動産:9割が「はじめまして」から始まる

不動産に移って、最初に面食らったのが入り口の違いです。

積み上げてきた関係性が、ほぼゼロ。接客するお客様の9割は初対面です。

流れはこうです。ネットからの反響や電話で内見予約が入る。管理会社に空室確認をする。来店日時を決める。内見日までに、条件に合いそうな別物件も用意しておく。気に入った物件があれば、そのまま申し込み・審査・契約へ進む。

ここで一番注力するのは、どれだけ反響を取れるかです。反響さえ取れれば、別物件の提案を重ねて自分のお客様にできる。逆に反響が取れなければ、打席にすら立てません。

共通していたもの、まるで違ったもの

業界が変わっても効いたのは、お客様の希望条件と、その裏にある本当のニーズを引き出す力でした。傾聴力、質問力、会話の組み立て。ここは完全に持ち越せました。

決定的に違ったのは、関係構築にかけられる時間です。

ディーラー不動産
顧客既存リストが中心9割が初対面
関係づくり中長期(年単位)短期(数日〜数週間)
注力する場所関係の維持・深耕反響をどれだけ取るか
成果までの距離長い短い

同じ「個人向け・有形商材」の中ですら、必要な時間感覚がここまで違いました。ましてや商材も売り方も違う営業に移れば、求められる力はまるで変わります。

私が「向いていない」と感じていたのは、営業そのものではなく、そのときやっていた営業の型だったのかもしれない。 転職して初めて、そう思えるようになりました。

営業は「3つの軸」で考えると分かりやすい

自分の経験から整理すると、営業職は次の3つの軸で分解できます。

軸1:誰に売るか(BtoC / BtoB)

個人向け(BtoC)法人向け(BtoB)
相手一般消費者企業の担当者・決裁者
決まるスピード比較的早い比較的遅い
求められる力感情に寄り添う力、瞬発力論理構成力、社内調整力
向いている人目の前の一人に集中したいじっくり信頼を積みたい

個人向けで「情に流されて詰め切れない」人が、法人向けでロジックを武器にした途端に伸びる。逆に、法人向けの長い商談に耐えられなかった人が、個人向けの即決の面白さでハマる。よくある話です。

軸2:何を売るか(有形 / 無形)

有形商材(クルマ、住宅、機械など)は、モノ自体に価値があります。実物を見せられる強みがある一方、競合と比較されやすく、条件面の勝負になりやすい面があります。

無形商材(広告、人材、SaaS、保険など)は、形がありません。商品そのものを見せられないため、提案力や課題把握力がより重要になるケースが多いです。難易度が高いというより、成果を左右する要素が違うと考えた方が正確です。

「モノは説明できるけど、目に見えないものを売る自信がない」のか、「モノの説明だけでは物足りない、もっと考える仕事がしたい」のか。ここは適性がはっきり分かれます。

軸3:どうやって顧客と出会うか(新規 / ルート / 反響)

ここが、この記事で一番伝えたい軸です。

新規開拓は、こちらからアプローチする形。断られる前提の仕事なので、メンタルの回復力が要ります。

ルート営業は、既存顧客との関係維持が中心。深く付き合うのが得意な人には天職ですが、変化が少なく物足りない人もいます。

反響営業は、問い合わせをくれたお客様を接客する形。分類上は新規ですが、飛び込みもテレアポも発生しません。

この3軸を掛け合わせると、自分の仕事を分類できます。たとえば私のいまの仕事は「BtoC × 有形 × 反響」。ディーラー時代は「BtoC × 有形 × ルート寄り」でした。1つの軸が変わるだけで、日々やることは大きく変わります。

「新規営業が苦手」ではなく「新規営業の入り口が苦手」かもしれない

「新規開拓は無理だ」と感じている人は多いと思います。でも、その”無理”の中身を分解してみてください。

営業スタイルお客様との接点
飛び込み自分から訪問する
テレアポ自分から電話をかける
メール営業自分からアプローチする
反響営業問い合わせからスタートする
紹介営業既存顧客などから紹介を受ける

同じ「新規」でも、入り口がまるで違います。

私がいまやっている不動産の仕事は、分類上は完全に新規営業です。でも飛び込みもテレアポもしていません。相手ははじめから興味を持って問い合わせてきたお客様です。

「新規開拓は無理だ」と感じている人の多くは、新規そのものではなく、飛び込みやテレアポが無理なだけだったりします。入り口が違う仕事があることを知らないまま、営業ごと諦めてしまうのは、本当にもったいない。

あなたに向いている営業スタイルをチェック

判断材料として、自問してみてください。

新規開拓が向いている可能性

  • 断られても翌日には切り替えられる
  • 数字を追いかけるゲーム性が嫌いではない
  • 毎日同じ人と話すより、新しい出会いの方が刺激的

ルート営業が向いている可能性

  • 相手のことを深く知ってから提案したい
  • 短期の数字より、長期の信頼関係に価値を感じる
  • 急かされる商談が苦手

反響営業が向いている可能性

  • 自分から電話をかけるより、相談を受けて提案する方が得意
  • 相手の話を聞いてから提案を組み立てるのが好き
  • 完全な飛び込みは苦手だが、接客そのものは嫌いではない
  • 目の前のお客様に集中する方が力を発揮できる

法人向けが向いている可能性

  • 話の筋道を立てて説明するのが得意
  • 「なぜそれが必要か」を資料に落とすのが苦ではない
  • 感情に訴えるより、根拠で納得させたい

個人向けが向いている可能性

  • 相手の表情や声のトーンの変化に気づける
  • その場のやりとりで空気を作るのが得意
  • 長い稟議より、目の前の一人に集中したい

複数当てはまるのが普通です。大事なのは、いまの仕事が当てはまらなかった項目ばかりだった場合。それは能力不足ではなく、配置の問題である可能性があります。

それでも「営業そのもの」が合わない可能性もある

ここは正直に書きます。営業の種類を変えれば全部解決する、という話ではありません。

たとえば次のような感覚が強い場合は、営業という仕事自体が合っていない可能性もあります。

  • 人と話すこと自体に、強いストレスを感じる
  • 相手の課題を聞くことに、そもそも興味が持てない
  • 数字で評価されることが、どうしても苦痛
  • 提案して相手の判断に影響を与えること自体に抵抗がある
  • 成果より、決められた業務を正確にこなす方が力を発揮できる

それはそれで、まったく問題ありません。

大切なのは、「いまの営業が合わない」と「営業そのものが合わない」を混同しないことです。この2つを一緒くたにするから、判断を誤ります。

一人で判断せず、第三者に相談するメリット

ここまで自己診断の材料を書いておいて逆のことを言いますが、この見極めを一人でやるのはおすすめしません。理由は3つあります。

理由1:自分が経験した営業しか知らない

いまの職場のやり方が「営業とはこういうもの」という基準になってしまいます。世の中には自分が知らない売り方があるのに、比較対象がないまま「営業=しんどいもの」と結論を出してしまう。私自身、不動産に移るまで反響中心の営業がどういうものか、正直よく分かっていませんでした。

理由2:売れていない時期の自己評価は、実態より低くなりやすい

数字が出ていないときの自己認識は歪みます。実際には身についているスキルを「できていない」と過小評価する。この状態で下す「向いてない」という判断は、正確とは言えません。

理由3:「業界の常識」が、実は普通ではないことに気づけない

その働き方、その評価制度、その詰め方。ずっと同じ環境にいると、それが普通かどうか判断できなくなります。他社を知っている人間に話を聞いて、初めて分かることがあります。

営業職の転職を考えるなら、エージェントも選択肢

ここまで読んで、「じゃあ自分はどの営業が向いているんだろう?」と思った人もいるはずです。

もちろん、自分で求人を見ながら比較することもできます。ただ、営業職は求人票だけでは分からない部分が多いのが厄介なところです。

「新規営業」と書いてあっても、実際には反響中心なのか、テレアポ中心なのか、飛び込みがあるのか。この違いで仕事内容はまるで別物になります。でも求人票では区別がつきません。

だからこそ、自分の経験を第三者に棚卸ししてもらうという方法があります。

誤解のないように言うと、いますぐ辞めろという話ではありません。 相談した結果「いまの会社で続ける」と判断してもいいわけです。情報を得ることと、辞めることは別です。むしろ他を知ったうえで残る方が、腹が据わって数字が伸びることもあります。

相談先を選ぶなら、2社は見比べたほうがいい

この記事の読者、つまり「営業経験を活かしつつ、自分に合う営業スタイルを探したい人」向けに2社を挙げます。方向性がはっきり違うので、比較する意味があります。

第二新卒エージェントneo

ネオキャリアが運営する、20代に特化した就職・転職支援サービス。第二新卒・既卒・フリーター・高卒・中退の方が対象です。

求人は全国の都道府県から探せて、職種も「営業職(法人)」「営業職(個人・カウンターセールス)」のように分かれています。営業を続ける前提でも、営業以外の選択肢も含めて考えたい場合でも相談できるのが強みです。

→ 向いている人:20代で、営業以外の職種も視野に入れつつ幅広く相談したい人。地方在住の人

20代のキャリアを無料で相談する全国対応/登録・相談は無料

第二新卒エージェントneo公式サイトへ移動します

イノセル

営業職に特化した人材紹介会社です。「営業を面白くする」をコンセプトに掲げています。

こちらの特徴は、エージェント自身が営業経験を持っていること。営業と一口に言っても、担当する相手や商材の単価・性質によって身につく経験はまったく違います。そこを理解したうえで「どういう営業をやりたいのか」をヒアリングしてくれる、と紹介されています。

まさにこの記事で書いてきた「営業の種類」の話を、そのまま相談できる相手です。

→ 向いている人:営業は続けたいが、営業のスタイルを変えたい人

※イノセルは首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)の求人が中心とされています。対応エリアや対象年齢は変わる可能性があるので、登録前に公式サイトで最新の情報を確認してください。

どちらも相談だけなら無料です。1社だけだと担当者の当たり外れの影響をそのまま受けるので、複数に登録して見比べるのが基本です。

まとめ|「営業が向いてない」の前に、「どの営業が向いてないのか」を考えよう

最後に、これだけは伝えさせてください。

売れない時期は本当にしんどいです。ただ、その壁は多くの営業が通る道でもあります。そして乗り越えた先には、自分の提案で人の意思決定が動く瞬間の面白さがあります。あの感覚を知らないまま営業を去るのは、もったいない。

一方で、合わない場所で消耗し続けるのも同じくらいもったいない。

だから、切り分けてください。

  • 誰もが通る壁 → 型を身につければ超えられる
  • 営業の種類のミスマッチ → 場所を変えれば化ける
  • 営業そのものが合わない → それも、ひとつの答え

そして、その切り分けは一人では難しい。判断材料を集めてから決める。それだけの話です。

この記事が、深夜に検索していたあなたの休憩になれば嬉しいです。

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